2009年2月12日

はらぺこあおむし

お庭の植木の葉っぱに不思議な穴が開いていた。なんだろう、、、と、しばらく、その葉っぱに開けられた穴を眺めながらぼんやりと考えた。、、、もしや、あおむしくん?
葉っぱの表と裏を行ったり来たりしながら、食べ進んだのだろうか。上のほうの穴が小さいのは、食べながら徐々に大きくなったから?下のほうに来るにつれて穴の間隔が大きくなっているのは、だんだんと体が長くなったから?
monチャンのえほん棚の中に「THE VERY HUNGRY CATERPILLER」と「はらぺこあおむし」がある。両方同じ絵のえほん。片方は英語、もう片方は日本語。英語の方はlupoのおかあさんから、日本語訳の方は友だちのヤナからの贈り物だ。 作者はEric Carleブログがとてもかわいらしい。)
私も小さい頃に読んだ。(もちろん日本語の方)
小さな「たまご」から生まれたちっぽけな「はらぺこあおむし」が、ひたすら食べて大きくなって「さなぎ」になって、「ちょうちょう」に変身するというお話。 そんな説明では、このえほんに、なんの魅力も感じられないが、何十年も世界中の子どもたちが読んできた理由はなんなのだろうか。
えほんに穴が開いている仕掛けえほんだから?単純なお話だから、かえって子どもにとっては、わかりやすくておもしろい?
短いお話の中に、月や太陽、曜日、数、いろんな色、体にいい物を適度に食べなさい的な教えなどたくさんのことがらが詰まっていて、小さな子どもたちにとっては、くりかえし何度読んでも飽きないえほんのひとつなのだろう。
私は日本語が母国語だからという理由もあるだろうけど、日本語訳のほうが好きだ。
りんご、なし、すもも、いちご、、、と、食べ進んでいくあおむし。食べ進むたびに“But he was still hungry”と、原文にはある。日本語訳だと食べ進むにつれて、「まだ、おなかはぺっこぺこ。」「やっぱり おなかはぺっこぺこ。」「それでも おなかはぺっこぺこ」「まだまだ おなかはぺっこぺこ」と、少しずつ変化していく。そして、あおむしは土曜日にいろんなものを一度にたくさん食べ過ぎておなかが痛くなる。“That night he had a stomachache!” と、これが原文。日本語訳では「そのばん あおむしは、 おなかが いたくて なきました。」と、なっている。原文にはひとことも「泣いた」とは、書かれていないのだけれども、絵ではあおむしが、とてもつらそうな顔をしているので、ぴったりだと思う。 それともうひとつ、原文を読んで初めて私は、このあおむしが男の子だったと知った。

このえほんの、さなぎになる前の、ふとっちょあおむしを見ながらmonチャンは、「うさぎさん おおきくなったね」と、訳のわからないことをぽつりとつぶやいた。私は思わず、「うさぎさん、どこ?うさぎさんじゃなくて、あおむし。キャタピラだよ。」と、言ってしまった。最後まで読み終えて、えほんを閉じ、表紙をよくよく見ると、あおむしの体はみどり、顔は赤、触角がむらさき。その触角が、言われれば、うさぎの耳のような形をしているではないか!こんなとき私はいつも、monチャンの豊かに育つべく想像力を逆に乏しいものにしてしまっているのではないかと心配する。
えほんは、読んであげるものでもあるけど、絵を見ながら子どもたちがそれぞれのお話を作ってもいいものだとも思う。えほんに限らず、見るもの全てをmonチャン独自の見方で受け入れて、感じて、想像を広げて欲しいと思っている。その邪魔だけはしないように心がけていたい。(今回は、できなかったけど。)
近ごろではmonチャンは、このえほんのことを「むし」とか「キャタピラ」と、呼ぶようになった。monチャンの考えていたうさぎさんのお話って、どんなお話だったのだろう。。。失敗したなぁ、、という気持ちだ。

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