2009年11月20日

小さな猫

気候がとても良いので、お庭の手入れをしたり、散歩に出かけたりと、外で過ごす時間が増えた。

このまえmonチャンとふたりで公園に行ったときのことだ。
monチャンよりも少し小さな子と、monチャンよりも少し大きな子がすでに遊んでいた。小さな子はおじいちゃんに、大きな子はおかあさんに連れられて来た様子だった。ふたりとも女の子だった。

小さな子はまだ恥ずかしがったりする時期にとどいていないのか、そういう性格なのかわからないけど、目が合うたびに大きくニッコリと、かわいらしい笑顔を見せてくれる女の子だった。この笑顔に会うことができただけでも、この日は遊びに来てよかったなぁー。と、ものすごく得をした気分になった。
大きな子のほうはというと、少し恥ずかしがり屋さんみたいで、初めのうちは逃げていたけど、monチャンがめげずにアプローチし続けたので、しばらくすると、monチャンから逃げることなく、一緒に遊べるようになった。

その大きなほうの子は、帰る時間が近づいて来たらしく、おかあさんが「帰ろうか」みたいなことを言い始めていた。だけど、どこの子も同じで、そう言われると余計に帰りたくなくなるもの。その女の子もおかあさんから逃げるように次々と違う遊具に移って行った。
だけど、そのおかあさん、全く困った表情を見せることもなく逆に、それを楽しんでいるように見えた。
そんなやり取りが10分近く続いて、その女の子も遊具で遊ぶことに飽きたのか、おかあさんの隣にちょこんと座った。
だけど、まだ、帰りたくはなかったみたいで、なにやらひそひそと話し始めた。別の遊びが始まったようだった。

「困った、、、。私の小さな猫がいなくなっちゃたの。」と、女の子。すると、
「見てきてあげるよ。」と、おかあさん。立ち上がり、ちょっとその辺りを歩いて、探すふりをし、両手を使って水をすくうときのようなポーズで何かをすくい上げ、もどってきた。そして、
「見つけたよ。ハイ、どうぞ。」と、言って女の子に手渡した。もちろん手の中には何もない。

それからそのおかあさん、「もう、帰ろうか。」と言うかなぁ、と、思っていたらそうではなく、、
「困った、、、私の小さな犬がいなくなっちゃったの。」と、また同じゲームが始まった。
そして、女の子はうれしそうに立ち上がり、小さな犬を探し、すくい上げておかあさんに手渡した。


そして、その後ふたりは帰って行った。
帰る前に必ずするふたりの決まりごとなのだろうか。とてもかわいらしい遊びだなぁと、思った。

途中、そのおかあさんは、私に、「子供を連れて帰るのは毎回とても難しいですね。」と、仰った。
だけど、そんなふうに全く感じさせないそのおかあさんの余裕ある態度。
私には、まだまだ修行が必要だと思った。


手から手に渡されたものは実際には何もなかったけど、だけど、何度そのシーンを思い出してみても、
ほわーんとした、、形はないけど、何か、温かいものがそこに見えたような気がする。
そして、思い出す度に、心が温まる。

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